現代日本文学でオススメの作家さんを教えてください。自分はどの小説

現代日本文学でオススメの作家さんを教えてください。自分はどの小説を読んでいいのかわからないので結局、昔の作品を読んでいます。一方で、現代文学を現代で読めるということは、現代を生きる 人間の特権であると思うのです。村上春樹は知名度だけを理由にで読んでみました。村上春樹の良さは理解できるのですが、日本文学の主流から少し外れたところにある感じがします。「日本文学」、「現代文学」の厳密な定義を知らないまま、ここまで文章を書いてきましたが、とりあえず、これまでの日本の文学の流れに載っている現代らしい作家さんを教えてほしいです。



現代文学とは、第二次世界大戦後の文学を指すことが多いようです。以下では戦後~現在までの日本文学でおすすめしたい作家を挙げてみます。すでにお読みの作品も多いかもしれませんが。
⬛坂口安吾(1906~1955)
凄絶な幻想美を描いた短篇『桜の森の満開の下』が忘れがたい(リンク先を参照)。ほかに『白痴』『青鬼の褌を洗う女』『夜長姫と耳男』『堕落論』など。
⬛武田泰淳(1912~1976)
まず、極限状況下での食人事件を題材にした短篇『ひかりごけ』がおすすめ。ほかに『蝮のすゑ』『森と湖のまつり』『富士』
など。
■石川淳(1899~1987)
まず『紫苑物語』から。文体がカッコいい。思考の束縛を解き放つような不思議な面白さ。物語は思いもよらぬ方向へとアナーキーに展開する。ほかに『前身』『八幡縁起』『六道遊行』『荒魂』『狂風記』など。
⬛山本周五郎(1903~1967)
時代小説家。薄っぺらな義理人情を突き破り、普遍的で根源的な価値を追求。
短篇集では『松風の門』『おごそかな渇き』『小説 日本婦道記』『日日平安』『人情裏長屋』など、長篇では『虚空遍歴』『ながい坂』『樅ノ木は残った』など。
■三島由紀夫(1925~1970)
凄まじい臨場感が広がる短篇『憂国』から。ほかに『中世』『近代能楽集』『金閣寺』『鏡子の家』『豊饒の海』(『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』からなる)など。
リンク先では『豊饒の海』に見られる仏教思想(唯識)を学ぶための本を紹介。
⬛大岡昇平(1909~1988)
『野火』は極限状況下の人間を緻密に描いた必読の戦争文学。ほかに『俘虜記』『レイテ戦記』など。
⬛川端康成(1899~1972)
『伊豆の踊子』『山の音』『眠れる美女』『古都』
⬛稲垣足穂(1900~1977)
『一千一秒物語』『弥勒』
⬛埴谷雄高(1909~1997)
難解な形而上学的思弁小説『死霊』が代表作。リンク先は、この作品にある言葉についての、kam……さんの解釈。
⬛安部公房(1924~1993)
不条理の文学。『砂の女』『壁』『他人の顔』『燃えつきた地図』『箱男』など。リンク先では『他人の顔』を紹介。
⬛井上靖(1907~1991)
『天平の甍』『蒼き狼』『敦煌』などの歴史小説には格調がある。
⬛堀田善衞(1918~1998)
『広場の孤独』『若き日の詩人たちの肖像』『橋上幻像』『方丈記私記』『ラ・ロシュフーコー公爵傳説』
など。リンク先は、scr……さんによる紹介。
■辻邦生(1925~1999)
絶望と再生と喜びの真摯な物語。文章も描写される情景も堪らなく美しい。『光の大地』『雲の宴』『夏の砦』『安土往還記』『ある生涯の七つの場所』『黄金の時刻の滴り』『西行花伝』など。
■三浦哲郎(1931~2010)
透明な空気のような文章。『忍ぶ川』『白夜を旅する人々』『素顔』『みちづれ』『ふなうた』『わくらば』など。リンク先は、scr……さんによる紹介。
⬛井上ひさし(1934~2010)
ことばの魔術師。『十二人の手紙』『新釈 遠野物語』『吉里吉里人』『四千万歩の男』『東京セブンローズ』など。
⬛石牟礼道子(1927~2018)
巫女のごとき共感力。詩的な、みずみずしい文章。『苦海浄土 わが水俣病』『椿の海の記』『十六夜橋』『葛のしとね』『西南役伝説』『春の城』など。
■丸山健二(1943~)
緊迫感と美しさが調和した、解像度の高い詩的な文章。『夏の流れ』『夜釣り』『水の家族』『野に降る星』『争いの樹の下で』『ぶっぽうそうの夜』など。
◆坂口安吾や三島由紀夫、川端康成などはいいですよね。「金閣寺」の文体と内容は結構衝撃的でした。石牟礼道子はこの前お亡くなりになられたのを聞いて、「苦海浄土」を購入しようかと思ったのですが、長さに恐れをなして手を出せないでいます。紹介文を読む限り丸山健二さんの作品に興味を持ちました。今度読んでみます。
◆漱石、谷崎、川端、大江、あたりが日本文学の主流だとすると、仰る通り、村上春樹は国際的人気はあるものの傍流であり、率直に言えばそれに匹敵する作家はいない、というのが現状だと思います。
先日、現代の日本に村上春樹以外でノーベル賞に価する作家がいるか、という質問があり、その際もいろいろ考えてみたのですが、近いうちに可能性があるとすれば、ドイツ語でも書いている多和田葉子ぐらいで、しかし彼女の作品は、どちらかといえば「無意味系」「言葉遊び系」であり、やはり日本文学の主流という感じはしないですね。
そもそも、村上春樹が登場した80年前後を境に、日本文学自体が「現代文学」の時代に入り、それ以前と断絶している印象を受けますが、あえて挙げるならば、私小説で有名な車谷長吉(1945-2015)の作品は、日本文学の伝統の中で書かれている感じがします。
◆1村上龍『限りなく透明に近いブルー』
好き嫌い分かれますが、又吉直樹『火花』に抜かれる前までは芥川賞受賞作のなかで発行部数1位でした。
2三浦綾子『塩狩峠』
3遠藤周作『海と毒薬』
4石原慎太郎『太陽の季節』
◆1. 円城塔さんの『道化師の蝶』
2. 川上弘美さんの『蛇を踏む』
3. 川上未映子さんの『乳と卵』
4. 中村文則さんの『土の中の子供』
5. 西村賢太さんの『苦役列車』
上記をお薦めします(*^_^*)b


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